2006年 06月 16日
去年の終わり頃の事を、仮に、交差点と呼ぶ。 交差点をぐいっと曲がって駆け出したつもりでいたけれど、まだその分かれ道に残してきたものがあると知る。解決しないままその場を去ったからだ。 しかしそこに戻ることはない。その場所も既にない。第一、その頃の自分に戻りたくない。 ほとんど何も見えてなかったし、何も聴こえてなかったのに、時間にまかせて事は運んで行った。はっきり言って、全然ついていけなかった。 自分が好きな事を強い言葉で幾度も否定されるうち、心には固いシャッターが降りた。 そうでもしないと、何かのせいにしたり、憎んだりしてしまいそうだったからだ。 反発する力もなければ、理由を問いただす勇気もなかった。第一、生活を保たねばならない。 あとはたぶん機械みたいだった。落っこちて壊れるまで気付かなかった。 修理中にいろんな事を考えた。いろんな人と話した。自分が昔から持っていた感受性をまだ失ってないことに気付かせてくれた。 今はその中にいる。ばちあたりなくらい、好きな事ばっかりやっている。 まっすぐに、やりたい事やってる人たちのそばにいる。 自分を拒んでいるようにさえ聴こえていた音楽を、楽しそうにやってる人がとなりにいる。 感謝。 でも、宿題はまだ残っている。 自分が拒んだ、自分が拒まれた、交差点の向こうの世界とはなんだったんだろう。 自ら閉めて自ら破壊した、固いシャッターのかけらが、あの交差点に落ちている。まだ拾う勇気がない。 けれど、交差点の向こうの世界にも感謝したい。落ちこぼれを育ててくれた世界。 いつか、ちゃんと感謝したい。
by enpou
| 2006-06-16 21:24
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KATAYAMA,Rie (UOMORI,Rie)
Kyoto,JAPAN Stage Lighting Designer twitter@enpou_ mixi id=1105020 光と時間と空間について考える仕事をしています。 以前の記事
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