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2013年 02月 26日

冬の言葉

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at Kyoto city

いつからか冬がすっかり苦手になってしまった。
冬の清らかさには惹かれるけど、冬の冷たさには縮み上がってしまう。
冬のように強くなりたいと思う。

最近、詩がようやく読めるようになってきた。昔は全く読めなかったので、大進歩。
以前は詩を読んでも無地の平面を見つめているような気になるくらい、何も入ってこなかった。
詩という方法が自分の心に届くまでに立ちはだかっていた障害物が取り払われて、ようやく向き合えた感じ。
冬が好きになるような詩や俳句をときどきさがして、冬の楽しみを増やそうとしている。
寒いからこそ豊かなことを、寒いからこそ美しいことを。



冬の言葉/高村光太郎

冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗ひ出すのは万物の木地。

天はやつぱり高く遠く
樹木は思いきって潔らかだ。

虫は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。

この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躪する。

冬は凩の喇叭を吹いて宣言する、
人間手製の価値をすてよと。

君等のいぢらしい誇りをすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。

冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。

冬は鉄碪を打つて又叫ぶ、
一生を棒にふって人生に関与せよと。




  
  
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by enpou | 2013-02-26 23:02